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●からだを巡る血液の役割

Dr.健康ミニ講座

からだを巡る血液の役割  

札幌医科大学医学部生理学第一講座教授・富瀬規継先生

今回のお話のテーマは、「全身を巡っている血液」についてです。血液の本来の役割は細胞に必要な栄養素や酸素を送ることで、そのために心臓は休みな く血液を送り出しています。また、血液中に細菌などが入り込むとたちまち全身にばらまかれてしまいますので、それを防ぐために血液やリンパには免疫のしく みが備わっています。今回は、血液と心臓、血管やリンパ管についてのお話です。

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■血液の本来の役割

血液は物質を運搬するために全身を流れている

生物が生きていくためには、個々の細胞に栄養素や酸素を運搬することが必要です。また、細胞の活動の結果生じるゴミ(代謝産物)や二酸化炭素は、からだの外に運び出さなければなりません。これはゴミをそのままにしておくと細胞のなかがゴミだらけになって細胞活動が阻害されてしまうからです。

こうした物質の運搬を担っているのが、全身を巡っている血液です。つまり、血液の基本的な役割は、細胞が必要とする栄養素や酸素を細胞に届け、不要になったゴミや二酸化炭素を回収することになります。
このように運搬が役割ですから、血液は存在するだけでは意味がありません。いいかえれば、「血液は流れていてこそ意味がある」といえるのです。

●血流を利用した血液の副次的な役割
 
血液による運搬のしくみ、つまり血流によって血液の付加的な役割が生まれてきます。それには、水分や電解質の分配、熱の分配調節などがあります。水分や電解質は細胞にもたっぷりありますが、血流を利用してそれらを入れ替えることで様々な調節を行っています。又、」全身を巡る血液は熱の高いところでは温められ、熱の低いところでは熱を放出しますので、体温を一定に保つのに役立っています。

さらに、生物は何かしくみをつくると、そのしくみを使って他にもっと上手く利用しようとします。血液による運搬のしくみについても例外ではありません。血液の副次的な役割としては、ホルモンや生理活性物質の輸送があります。ホルモンを産生・分泌する臓器はホルモンを血液中に放出し、血流を利用してホルモンを離れた臓器に運んでいるのです。

●生体防御の場としての血液

以上にあげた役割が血液本来の役割と考えられ、そのために血液は全身を循環しています。そのスピードは1分間で全身を一周するほど速いと考えられています。

生物にとっての外敵はからだの外からやってきますので,
からだの外に接している皮膚や粘膜は最初の防衛ラインとなっていますが、もし、その防衛ラインが突破され血液中に細菌などが侵入してしまうと、血液に乗ってたちまちのうちに全身にばらまかれることになります。この危険性を回避するために、血液中には免疫のしくみが厳重に備えられていますが、この役割を担っているのが白血球やリンパ球などの免疫担当細胞です。血液は、これらの免疫担当細胞を感染部位など必要な場所に運ぶという役割もあるのです。

一般的には、血液の役割の一つとして生体防御があげられていますが、正確には、血液が生体防御を担っているのではなく、血液は生体防御の場、すなわち細菌などと戦う最前線の場であるといえるでしょう。これは、免疫担当細胞がつくられるのは血液ではなく骨髄であり、その免疫担当細胞が生体防御の任務を帯びて血液という職場に派遣されると考えてみるとご理解いただけるかと思います。


■血液の成分/血球・血漿それぞれの役割

●血液の役割のほとんどは血漿が担っている

血液は、赤血球、白血球、血小板などの血球と血漿から構成されますが、多くを占めるのは赤血球と血漿です。

血液の役割から考えると、このなかでも最も重要なのは血漿です。一般的な教科書の血液の章では血球について多くの記載がありますが、血液の本来の役割は栄養素や酸素などの運搬であることを考えると、血液の役割は血漿の役割そのものだということもできます。実際に、栄養素も代謝産物も電解質も血漿に溶け込んで運搬されます。熱も血漿が温められて分配されますし、ホルモンも血漿に溶けて運ばれます。二酸化炭素は血漿に溶けている割合のほうが高く、赤血球に留まっている割合はごくわずかです。

酸素についても、肺で呼吸して取り込んだ酸素が最初に溶け込むのは血漿です。酸素は、肺では血漿から赤血球に、組織では赤血球から血漿、血漿から組織液へと、必ず血漿を介して移動することになります。

また、血液中の酸素濃度は動脈血酸素分圧で表示されますが、これは血漿に溶け込んでいる酸素の濃度を表したものです。このように血漿は酸素を溶かして運ぶことができますが実際にはその量はわずかで効率はよくありません。ですので、大量の酸素を必要とする動物では、酸素と結合するヘモグロビンを備えていて、輸送効率を高めています。このヘモグロビンは赤血球に大量に詰まっていますので、赤血球は酸素の運搬役として説明されることが多いのです。

白血球の役割は、先にもお話ししましたが生体防御で、ガードマンとして血液中に存在しています。白血球は、好中球や好酸球、好塩基球、単球、リンパ球などの種類があります。好中球は細菌などを殺す役割があり、好酸球は寄生虫などの排除やアレルギー反応に関与しています。

白血球のなかには血液中から組織に移動すると別の細胞に分化するものがあります。例えば、好塩基球は肥満細胞に、単球はマクロファージに分化し、そこで生体防御の役割をはたします。肥満細胞は局所のアレルギー反応に関与し、マクロファージは体内に入った異物を貪食し、その情報を他の免疫担当細胞に提示することで、様々な免疫システムの開始を促します。

●血小板の役割は「血を止める」こと?

血小板の役割としては止血があげられますが、血液の役割は物質の運搬であり「血液は流れてこそ意味がある」ということを考えると
、矛盾があるように思われるかもしれません。しかし、止血は、血液を適切に保つための重要なしくみの一つなのです。

 細い血管はかなり脆いため、衝撃を受けるとすぐに裂けてしまい、血液が血管外に流出(出血)してしまいます。実は、出血はからだの外部で起こるだけでなく、からだの内部でも内出血というかたちで頻繁に起こっているのです。もちろん、血液量には限りがあり、そのままにしておくと死んでしまいますので、血液が血管から流れ出るのを防ぐしくみ、つまり止血をして血管を修復するしくみが必要になります。この役割を担っているのが血小板と凝固系なのです。

 血管が裂けると、まず先に出血を停止させるために、血小板が破綻部位に粘着し、これをふさぎます。続いて、凝固系がはたらいて血液凝固が起こり、何日間かかけて血管壁の修復を行います。修理が完了すると血栓は不要になりますから、今度は血栓を溶かして取り除く必要が生じます。それを担っているのが線溶系です。不要となった血栓がいつまでも残っていると血流の邪魔になりますので。

 このように血小板と凝固系、線溶系が連係してはたらくことで、血管の裂け目は修復され、血流が適切に保たれることになるのです。


■心臓のはたらき

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●心臓は血流を送り出すポンプ

 血液は存在するだけでは意味がなく、流れていてこそ意味がある、ということをお話ししましたが、この血流を作り出しているポンプが心臓です。では次に、心臓について見てみましょう。

 心臓は胸の左側にあるように思われがちですが、大部分は胸の真ん中にあり、左右の心房と心室に分けられます。心臓の働きは自律的、つまり、意識して調節しなくても動き続けています。心臓が血液を送り出す時にかかる圧力(血圧)によって動脈側の毛細血管からは、血液の血漿成分が組織に染み出していき、栄養素や酸素が細胞へ運ばれます。そのため、心臓は一定のリズムで収縮して、血液に圧力をかけ続ける必要があります。

 この心臓の収縮(拍動)の発生源は右心房と大静脈が接合している部分の洞房結節にあります。洞房結節からは一定のリズムで電気信号が発信され、それが刺激になって心臓の筋肉(心筋)が収縮します。心筋は無秩序に収縮するのではなく、心房、心室の順に一定時間をあけて収縮するので、心臓の中の血液がうまく全身に送り出されるしくみになっています。

また、心臓の拍動は自律神経という2種類の神経で調節されていて、交感神経が興奮すると早く拍動し、副交感神経が興奮するとゆっくり拍動します。

医療機関に行くと心臓の検査として心電図を行うことがありますが、心電図はこの電気信号を記録したものです。心電図は侵襲性が少ないため心臓の様子を比較的簡単に評価することができ、また24時間連続してモニタリングすることもできますので、医療機関では繁用されています。


●心臓の拍動のリズムが崩れると動悸を感じる

 心臓の変調による病態として動悸がありますが、動悸とは、通常は自覚しない心臓の拍動を自覚し、それを不快と感じることです。
動悸にはいろいろな種類のものがあり、ただ単に脈が速くなるのも動悸ですし、リズムが乱れて急に大きな心臓の収縮が起こることも動悸といいます。心臓の働きは普段は全く気づきませんが、それは心臓が一定のリズムで動いているからです。このリズムが急に変わった時に、私たちは心臓の動き、つまり心臓の存在を意識することになります。

 規則正しいリズムで動いている心臓の拍動が途中で抜けると、次の1拍は強く収縮することになりますが、それも動悸として感じます。この現象は、休止期の間に心臓に戻ってきた大量の血液を送り出す必要があるために生じます。
 
 また、動悸は交感神経の興奮によって心臓の拍動が強まることでも起こります。例えば、血圧が低下すると、血圧を一定に保とうとする血圧反射が起こり、交感神経が興奮するので心臓の拍動は強まります。一般用医薬品でもかぜ薬や鼻炎薬などには交感神経に影響を及ぼす成分が含まれているものがあり、心臓の拍動が強まり動悸が生じる可能性もありますので服用する際には注意が必要です。


■血液の循環

●血液は全身を駆け巡る

 循環器とは血液を全身に巡らせる器官の総称で、心臓、動脈や静脈などの血管、そしてリンパ管から構成されます。

 心臓の左心室から送り出された血液は、大動脈を通り、そこから枝分かれしている動脈に入っていきます。そして、全身に分布している目では見えないくらいの細い毛細血管まで移行して、そこで物質の交換が行われます。

 毛細血管と組織との間での物質交換は自動的に行われます。つまり、栄養素や酸素を含んだ血漿成分は動脈側の毛細血管から組織に自動的に染み出し、ゴミなどの老廃物(代謝産物)や二酸化炭素を含んだ組織液は静脈側の毛細血管に自動的に回収されると考えられています。
その後、毛細血管は再び合流し、静脈となって目に見える大きさになっていきます。最後に全身の血液は大静脈に集められ、心臓の右心房に戻ります。この循環は、体循環と呼ばれます。

 右心房に戻ってきた血液は右心室へ行き、そこから肺動脈を経て肺に送られます。その後、肺の毛細血管で酸素と二酸化炭素のガス交換が行われ、肺静脈を経て血液は心臓の左心房に戻ってきます。この循環は肺循環と呼ばれます。そして、左心房に戻ってきた血液は左心室へ行き、再び全身へ向かいます。

 このように血液は全身を巡っていますが、次に血液が静脈を通って心臓に戻るしくみと静脈の意外な役割について、もう少し詳しく見てみましょう。

●血液はゆっくりと流れる静脈に溜めておく

 循環器の中でも静脈は、想像以上に重要な役割を担っています。それは「血液を溜めておく」という役割です。しかし、血液を溜めておくといっても、例えば、プールのような臓器では凝固系がはたらいて血液は固まってしまいます。そこで、血液に流れがなくてはなりませんが、静脈にはゆっくりと流れている経路があるのです。まさに、このゆっくり流れていることが非常に重要なポイントで、実際に、静脈は、分岐や遠回りをするバイパスをたくさんつくっていて、血液の流れが速い経路と遅い経路を用意しています。主に、流れが速い経路は心臓への血液の戻しを、遅い経路は血液の貯留を担っているわけです。

このように血液を溜めておく意義は、身体の活動量の変化に応じて血液量を変動させる必要があるためと考えられています。つまり、運動している時には血液は大量と必要になりますが、安静にしている時にはそれほど必要ではありません。体内の血液の量は、活動が活発になった時に備えて充分量が用意されていますが、安静時にすべての血液を常に同じスピードで循環させるのは、エネルギーの無駄にもなり非効率的です。

このことからも、静脈に血液を溜めておく役割があることをご理解いただけるかと思います。


●血液を心臓に戻すのも容易ではない

ヒトは進化の過程で直立二足歩行を選択しました。そのため、心臓よりも高い位置にある頭部などの血液は、血液自体の重みで心臓に戻ってくることができます。しかし、心臓よりも下に位置する臓器から血液を戻すことは容易ではありません。特に最も遠い足の血液を心臓に戻すには特別なしくみが必要です。そこで、静脈内に逆流を防ぐ静脈弁を作り、周囲の筋肉の助けを借りて、血液を少しずつですが、逆流させずに心臓に送り返す筋肉ポンプというしくみができました。

ただし、このしくみで血液を送り返すことができるのはお腹のあたりまでです。そこから先は、呼吸によって胸腔に生じる陰圧や心臓の拍動に伴う吸引力などによって、心臓に血液が戻されていきます。

このように静脈では、リレー式でゆっくりと確実に血液を心臓に戻すしくみができあがりました。

運動時は、足の筋肉の動きが激しくなればなるほど心臓は血液を大量に送り出す必要が生じますが、足の筋肉が早く動けば血液が心臓に戻るスピードも早くなります。また、運動によって呼吸が激しくなれば、お腹から心臓への血液の戻りも加速されます。これは長い進化のなかで獲得されたしくみですが、理にかなった見事な連係だと思います。

一方、同じ姿勢で足を動かさずにいると、静脈内の血液の流れが促進されませんから、静脈内で血液が固まって血栓が生じ、それが肺や脳などに移動して塞栓症を起こすことがあります。これは静脈血栓塞栓症(一般的にはエコノミークラス症候群)として知られていますが、水分を十分に取り定期的に足を動かすことで、予防することができます。


リンパ管のしくみと役割

●血液と別経路のリンパ管の役割とは

 ここまで、循環器のうち心臓と血管についてお話ししてきましたが、最後にリンパ管について見てみましょう。

リンパ管は、毛細血管から組織に染み出した血漿成分を回収する経路と説明されることが多いですが、血漿成分は毛細血管でも回収されます。では、なぜリンパ管という別経路をつくり血漿成分を回収しなければならないのでしょうか。それは、毛細血管の壁を通過することのできないタンパク質をリンパ管を通して血液中に運搬するためです。

 血液中に含まれるタンパク質には、主に肝臓や組織でつくられたものと、小腸から吸収された脂肪を含んだリポ蛋白があります。肝臓には一般の組織で見られる毛細血管はなく、類洞とよばれる特別な血管があり肝細胞はそれに対し剥き出しになっているため、肝臓でつくられたタンパク質は類洞を通して直接血液中に放出することができます。一方、通常の組織は周りに毛細血管がありますが、細胞の破片や代謝産物として出されたタンパク質などのゴミは毛細血管の壁を通過することはできません。これらは、毛細血管からではなくリンパ管を通して回収されているのです。つまり、リンパ管は組織で生じたタンパク質を回収する経絡として発達したと考えられています。組織で生じたタンパク質はリンパ管を介して、毛細血管からなるべく遠い血管である大静脈に向かって運搬されています。

 また、小腸で回収された脂肪は水に溶けませんので、リポ蛋白として水に溶かして運搬されています。タンパク質であるリポ蛋白も小腸の毛細血管は通過できませんので、リンパ管を通して吸収されることになります。
つまり、私たちが食べた脂肪はリンパ管を介して血液中に運ばれていて、グルコース(ブドウ糖)やアミノ酸のように小腸の毛細血管を通過して肝臓に直接運搬されるわけではないのです。

 このように、血管とリンパ管は解剖学的にみると同じはたらきをしているように見えますが、機能は全く異なります。


●リンパ管は生体防御の最前線

 以上のように、リンパ管の中にはタンパク質や脂肪が多く含まれていますが、細胞成分としてはリンパ球が豊富に存在しています。リンパ球は白血球の一部ですが、リンパ管で発見されたことから「リンパ球」という名がつきました。リンパ球とはT細胞やB細胞などの免疫を担当する細胞のことですので、このことから、リンパ管が生体防御を担っていると思われがちですが、血液と同じくリンパ管も生体防御の場、つまり、外部から侵入した細菌などのバイ菌と戦う場というほうが正確です。これは、リンパ球も骨髄でつくられることを考えるとご理解いただけるかと思います。

 怪我をして組織にバイ菌が入ってきた場合、サイズの大きいバイ菌は毛細血管に侵入することができず、主にリンパ管に侵入します。バイ菌はリンパ管の中にいる間に排除しないと、大静脈に入り血流に乗って全身に広がってしまいます。バイ菌が血液中に入り全身に回ってしまった状態を敗血症といいますが、これは大変危険な状態で場合によっては死に至ります。

 











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