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●漢方薬はどのようにしてきくのか

Dr.健康ミニ講座

漢方薬はどのようにして効くのか  

(昭和薬科大学病態科学教室教授 田代愼一先生)

■21世紀は合併症をもつ人が増える時代

21世紀は、高齢化社会の到来や生活習慣病の増加によってさまざまな合併症を有する人が増える時代といわれています。例えば、高齢者では血圧を下げる降圧薬と糖尿病治療薬、解熱鎮痛薬とリウマチ治療薬など、多くの薬剤を併用しなければならないケースが少なくありません。
ところが、一人の人間が多くの薬剤を併用すると、副作用などの有害な作用が増加する危険性があることがわかってきており、1剤で多様な作用をもつ漢方薬に期待が集まる時代になったともいえます。

■漢方薬は多様な作用によってからだのバランスを保つ

西洋薬は単一の成分でできているため、切れ味はシャープです。その一方、漢方薬は多くの成分からできているため独特の作用があり、時に相反する作用をもっている場合があります。
例えば、高血圧などに対して使われる三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)は、収縮した血管に投与すると血管を拡張させ、拡張した血管に対しては収縮させる という、2つの相反する作用を兼ね備えていることが動物実験からわかっています。もし、西洋薬のような一方向に向かう作用しかない薬剤であれば、例えば血 管を収縮させる薬を投与すれば、収縮している血管はますます収縮する方向に向かうはずですが、漢方薬の場合、バランスをとるような働きがあると考えられま す。
人間のからだも、相反する働きでバランスをとる機能をもっています。交感神経が亢進すると次第に興奮状態に向かいますが、その一方で副交感神経が働いて気持ちを落ち着かせようとします。
その逆もいえることですが、生体内では調節機能によって恒常性を保っています。

■漢方薬の成分、「配糖体」はプロドラッグ

私たちが食べた食物は、腸管で吸収されて肝臓で代謝されますが、漢方薬も同様に代謝されます。
しかしながら、ほとんどの漢方薬は「配糖体」と呼ばれる水に溶けやすい性質(水溶性)の成分を含んでいます。このような水溶性の高い物質は、リン脂質など でできた細胞膜を通過しにくいため、吸収されにくい欠点があります。それでは、どのようにして吸収されているのでしょうか。
その答えは、例えばある種のビィフィズス菌などの腸内細菌に隠されています。服用した漢方薬が下部消化管に到着すると、腸内細菌によって糖がエネルギー源として奪われてはじめて腸管で吸収されやすい活性成分に変化します。
つまり、ビィフィズス菌などの配糖体を利用できる腸内細菌が少ない腸では、口から入ってきた漢方薬は腸で吸収されずに、そのまま糞便と一緒に排泄されてし まいます。このような漢方薬の成分の吸収に大きく関わっている腸内細菌の種類や量は個人差が大きいため、漢方薬は効き目に個人差があります。

■腸内細菌と大黄
大黄という生薬には、センノシドという配糖体が含まれています。これは、便秘に効果のある成分です。
ところが、ある便秘症の患者さんが大黄を服用しましたが、まったく症状が改善しなかったため、ビィフィズス菌を含む食品を同時に摂るよう指導しました。
それでも効果がないため、よく調べてみると、その食品にはビィフィズス菌だけでなく、ビィフィズス
菌が大好物であるオリゴ糖も含まれていました。つまり、せっかくビィフィズス菌を腸内に投与しても、そのビィフィズス菌はセンノシドだけではなく、大好物のオリゴ糖を栄養源としていたからでした。
しかし、そのうちオリゴ糖も食べ尽くしてしまうと、次にセンノシドを栄養源としたため、分解されて腸から吸収されるようになりました。このような経緯で時間は少々かかりましたが、大黄の効果は十分発揮される状態になりました。

■腸内細菌と芍薬甘草湯

芍薬甘草湯は、鎮痛効果があることで知られる漢方薬です。急激に起こる筋肉のけいれんを伴う痛みに効果があり、こむらがえりなどによく使われます。
月経痛には証にあわせて当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散がよく使われますが、あえて芍薬甘草湯を応用してみました。
女性29名を対象に月経痛が起きた時に服用(頓服)した結果では、「よく効いた(著効)」は10・3%、「効いた(有効)」は51・7%で、残りの37・9%は「変化なし(不変)」でした。
そこで、前述の大黄のケースと同じように腸内細菌の力を借りることにしてみました。月経痛はいつ起こるか予想ができるため、頓用での有効例6例、無効例 11例、計17例に、予定日の一週間前から1日1包を投与したところ、著効が52・9%、有効が35.3%と合わせて88・2%となりました。これは前 もって服用していたことで、芍薬甘草湯の成分を食べる腸内細菌が増殖していたため、より効きやすくなっていたと考えられます。
一方、もともとこの菌がいないか、増えにくい人は、効果を示さないと考えられます。

■漢方薬と抗菌薬の併用

腸内細菌によって、漢方薬の成分が吸収されやすい状態が作られることがわかりました。
では、漢方薬と抗菌薬を併用した場合はどうでしょうか。
漢方薬を効かせたいのであれば、抗菌薬の併用は避けたほうがよいでしょう。抗菌薬は配糖体を分解してくれる腸内細菌を殺してしまい、その結果、漢方薬の成分が吸収されにくい状態のままでいるので、効きにくくなってしまいます。

■麻黄を配合している漢方薬の注意点

生薬のなかにはアルカロイドを主成分とするものがあり、麻黄のエフェドリンや附子のアコニチンなどが知られています。これらの成分は、塩基性なので消化管内のPHが高いと吸収されやすく、また少量で激しい作用を呈します。
このため、重曹などの制酸成分を配合している胃腸薬を併用すると、胃内のpHが上がり、アルカロイドの吸収が高まる可能性があります。このため、麻黄湯や小青竜湯などの麻黄(アルカロイド)を含む漢方薬を服用するときは、下記症状に注意する必要があります。

◎自律神経症状
 動悸、頻脈、興奮、不眠、発汗、脱水、全身虚脱など。
◎消化器症状
 胃もたれ、食欲不振、悪心、嘔吐、腹痛、下痢など。
◎排尿障害
 尿閉など。

■剤形による特徴の違い

漢方処方にはいくつかの剤形があり、それぞれに特徴があります。配合された漢方薬を煎じてのむものが湯剤で、味や香りが血行を促進したり、消化管運動を活発にしたりします。
水に溶ける成分の少ないものや、熱を加えると成分が失われるものは丸ごとのむために生薬を粉末にした散剤で処方されます。また、薬効の強いものは生薬の粉 末をハチミツなどで固めた丸剤にして、徐々に溶けるようにつくられています。また現在、最も多く使われているものに、煎じ薬をフリーズドライ加工したエキ ス剤があります。

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