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●疲れと生活習慣〜食事の栄養バランスから考える〜

Dr.健康ミニ講座

疲れと生活習慣〜食事の栄養バランスから考える

 (女子栄養大学栄養学部教授 管理栄養士 本田佳子先生)
 
日本人の食習慣は、家族揃って食卓を囲んでいた時代から、大きく変わりつつあります。食べ方や栄養の摂り方は日常の疲労感とどのように関わるのでしょうか。

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食事本来の役割が失われている

 近年、産業構造の大きな変化に伴い、私たちの労働環境やライフスタイルも生活の時間軸が夜型にシフトしています。そのため1日3回の規則正しい食生活から、朝食を欠き、昼も短時間の軽食ですませ、夕食でようやく食事を楽しむという生活に変化しています。食事を摂る時間だけでなく食べる量にも偏りがある食習慣は、食事が持つ本来の役割からかけ離れています。1日3回に分けて食事を摂ることで、24時間血中の糖や様々なミネラルの濃度をほぼ一定に保ち、継続的に細胞へ栄養を補給するのが、本来の食事の役割なのです。

食べ物は口で咀嚼され、胃袋で貯められ、一定の速度で腸に送られます。腸では、消化吸収に時間をかけ、一部は肝臓に送られ、栄養素を合成し貯められています。
ところが食事を一度にまとめて摂取すれば、消化そのものに必要なエネルギーが少なくすむ代わり、貯蔵ではエネルギーの貯蔵や貯蔵されたエネルギーを動員したりしなければなりません。しかし、その貯蔵量には限界があり、必要な時に供給できないことがあります。また、食事を摂った後と空腹の間のエネルギーとなる糖の代謝に不可欠なのは、インスリンというホルモンです。

インスリンは、血中の糖濃度に合わせて分泌されるのですが、分泌量には限界があります。ですから、限界を超えると糖は代謝されず腎臓より排泄され、尿に混じって体外に出てしまいます。

こうした消化管の機能とインスリンの関係から、人は長い時間をかけて「1日3食」という習慣を獲得しました。しかし、近年は食習慣の変化がそれを乱しているため、栄養素の摂取効率が低下していることも、疲労感につながる要因の一つと考えられます。

栄養の偏りも疲労の原因に

 摂取している栄養の質も問題です。人も動物と同様、エネルギー源をまず確保しようとします。例えばおなかがすいていたら、甘いものから食べようとします。ビタミンからは食べませんし、栄養バランスを意識しないとたんぱく質も不足しがちです。エネルギー源を摂っていたとしても、エネルギー量に見合うビタミンを摂っていなければ、エネルギーが十分に産生されず、疲労感につながります。特にビタミンB群はエネルギー代謝に関わるので、十分摂る必要があります。また、若い女性にはダイエットによる栄養不足もみられ、持続的にダイエットをしていると、朝起きる時にだるいといった様子が見受けられます。

そして、食品そのものの栄養価が変化していることも、栄養摂取の状況に影響していると思われます。
国内生産の野菜は多くの農家が露地栽培からハウス栽培へと移行し、旬の時期に旬のものを食べることが少なくなりました。栄養面も従来の野菜に比べて含まれている栄養素が慨して少なくなりました。例えばホウレン草の本来の品種は背が低く、軸が太くて扱いにくいものなのです。それが育てやすく、調理しやすく、土地面積当たりの生産性の高い品種にとって変わった結果、本来の品種と比べて、一部の栄養素は含有量が半分程度に減っています。品種改良により生まれた野菜はアクも少なくなっていますが、ミネラルも少なくなってきています。ゼンマイ、ワラビ、フキノトウのような和野菜はミネラルが豊富ですからアクが強い。昔の日本人は、冬の間の野菜不足を補うため、春先に出てきた木の芽や山菜などでミネラルを補っていました。しかし、そういった食習慣や日本人の好みも変わり、ミネラル豊富な野菜が摂取されにくくなっています。

2008年4月から、メタボリックシンドロームに着目した特定保健指導が開始され、生活指導の一貫として食事指導が行われています。

肥満を是正せず、そのまま放置しておくと、糖尿病や脂質異常症を発症します。これらの患者さんの食事状況をチェックすると、脂肪エネルギー比は30%(治療における脂肪エネルギー比の目標値は20〜25%、食事チェックにおける平均値は32%)を超えていることが多く、体重当たりの摂取エネルギーが高い人ほど、野菜の摂取量が少ないという共通点もみられます。

また、肥満が原因で脂肪肝や非アルコール性脂肪肝炎になると肝臓の機能が低下し、それが疲労感の要因になることがあります。肝臓はビタミンの宝庫で、疲れを感じると人はまず肝臓で蓄えられているビタミンから消費します。しかし、肝臓の機能が低下すると必要な栄養が十分に補給されなくなってしまいます。まずは肥満を解消することで肝臓の機能の回復をはかり、さらに食事と一緒にビタミンを十分に摂るという、栄養の補給が大切です。

食事をすることの意義

日頃疲労を感じている人は、栄養のバランスのとれた食事やビタミン類を補給することが大切ですが、食事で不十分な時にはビタミン薬を用いることが勧められます。ビタミンの作用を考えると単独栄養素より、マルチビタミンのほうが効率的です。

食事を摂るということは単なる栄養補給ではなく、体内の時間軸を正しくする意味もあります。例えば海外旅行の際、飛行機のなかで一定の間隔で食事を摂りますが、これは時差ボケを調整する役割があります。また、日頃何らかの薬をのんでいる場合は、食事をきちんと食べていないと薬物療法も十分な効果が発揮されません。
お薬は「食前」「食後」「食間」と飲む時間を指定されているものが多くありますが、これは1日3回という規則正しい食事を前提に薬効時間の調整がかけられています。

薬物療法と食事療法は、役割が異なります。薬物療法は標的とすべき臓器や機序に作用しますが、食事療法は標的を明確にできない代わりに、他の疾患も含めて改善することができます。例えば糖尿病、脂質代謝異常症、高尿酸血症という三つの病気を治療するとします。薬物療法の場合、対応する薬は3種類になるかもしれませんが、食事療法の場合はいずれの病気もエネルギー制限を中心に行い、一つの方法で改善することが可能です。つまり食事の内容や量の調整によって、疾病を複数対象とすることができるのです。

ただし、食事療法は、薬のように短時間で効果が上がるのではなく、効果がでるのに時間がかかるので、患者さんの治療へのモチベーションが続きにくいという難しさがあります。

「測る」「記録」で自己管理を

 では、食生活の改善を長続きさせるポイントを考えてみましょう。
病院で行う栄養指導では、臨床検査値の結果と日常の食生活から患者さん自身に食生活の問題点を認識後、食生活の改善に取り組んでもらいます。そして、治療に合わせた食生活に日常の食生活が変容するのがゴールです。この過程で、患者さんが血圧や体重、糖尿病の場合は血糖値を自己計測することはとても有効です。間違った食べ方をした時に、何がいけなかったのかがすぐわかります。また、食べる量を記録しておくとことも有効です。何を食べたか、「みかん3つ」と広告紙の裏にでも書いて冷蔵庫に貼っておくだけでもよいのです。飲酒される方はお酒の量だけ、あるいは宴席に行った回数だけでも記録するとよいでしょう。

食事のコントロールがうまくいけば血糖値は約2か月、中性脂肪値は1週間程度で下がってきますので、数値を見て自覚することが改善につながります。

自分自身が、どの程度なら食べたり飲んだりしてもいいのかを知り、どのようにコントロールするのか自分で知ることが大切です。

夏バテ予防の食事

夏は暑さの影響による疲れやだるさを訴える方が増える季節です。対策としては食事できちんと栄養を摂ることが勧められます。特に食事制限の必要な病気がない限り、エネルギー代謝に必要なビタミンB群とたんぱく質が不足しないよう十分にバランスよく摂ることが大切です。

豚肉、豆類、雑穀はビタミンB群が豊富でたんぱく源にもなりますので、夏場には上手に取り入れたい食品です。豚肉なら冷しゃぶにして、そうめんにのせて一緒にいただけばおいしく栄養が摂れます。ビタミンB群は水溶性ですので、豚肉をゆでる前に片栗粉を軽くまぶして、ビタミンB群が流れ出さないようにします。熱には強いので、加熱調理(焼くなど)そのものは問題ありません。

特にたんぱく質は不足しがちですので、意識して摂るようにしたいものです。大豆製品の油揚げを食べたり、デザートに小豆などをいただくことでもたんぱく質が摂れます。食欲がなくて量を食べられない時は、たんぱく質、野菜、ごはんといった順で食べるようにしましょう。

また、加工食品の多い食生活では、総じてビタミンやミネラルが不足しがちですので、主菜にゆでた野菜を添えたり、フレッシュジュースで補うのもよいと思います。
さきほど紹介したそうめんも胡麻だれにして、シソの葉を加えるなどミネラルの多いものを混ぜていただくなど、いろいろな工夫が考えられます

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