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●疲れと生活習慣病

Dr.健康ミニ講座

疲れと生活習慣病〜最近の研究から〜

24時間休むことなく動き続ける現代社会では、疲労感を訴える人々が非常に増えています。

疲れは様々な疾患の前触れとして現れるだけでなく、原因不明のことも多く、その全貌は明らかになっていません。
そこでこの特集では、大阪市立大学で行っている*維持透析患者の研究内容などを盛り込み、疲れと生活習慣についてお話いただきました。
(一定の間隔で透析治療を継続して受けている方のことを「透析患者」と記載しています。)

疲労は決して軽視できない

「疲労」「痛み」「発熱」は、生体が体内の異常を知らせる三大アラームとして考えられています。しかし、人は頭痛や腹痛には病気を疑い、熱があれば会社や学校を休むことを考える反面、疲労はよほど辛くなければ、すぐに対応しようとは考えない傾向にあるようです。

その理由として、疲労は心身両面に関連した主観的な感覚であるため、体温のように測定できる指標がないことがあげられます。すなわち、客観的に評価することが難しく、本人はもちろん周囲の人も疲労の度合を明確に知ることができないからだと思われます。しかも、仕事や勉強に没頭してしまうと、疲労を自覚しにくくなります。

それでは、疲労は痛みや発熱に比べて、問題が少ないのかといえば、そうではなく、2001年に改正された厚生労働省の労災認定基準にも過重労働などによる疲れを原因とする疾患などが加えられています。このように痛みや発熱と同様に、疲労も決して軽視できない症状なのです。

疲労は脳内の三つの回路が連携して認識される

 旧・厚生省が実施した愛知県の疫学調査(1999年)で、15〜65歳の約60%が疲労感を自覚しており、全体の約37%が6ヵ月以上続く慢性的な疲労に悩まされていることが明らかになりました。現在は、原因不明の疲労が6ヵ月以上持続すると、慢性疲労症候群と呼ばれ、独立した疾患として診断されるようになっています。しかし、疲労はどのように進展し、蓄積されていくのかという詳細なメカニズムは、未だに解明されていません。

ただ、人は痛みの刺激を神経を介して脳で感じるように、疲労も脳で感じることは間違いないようです。公園などで走り回ってよく遊んだ子供は、家に帰るとぐったりし、眠ってしまうことがあります。これは、典型的な肉体疲労の状態です。疲労を強く感じると新しい行動への意欲がなくなり、集中力や注意力が低下します。

一方、大人の場合はこのようなケースと異なり、その疲労には精神的、肉体的、環境的な因子が複合的に重なり合っています。現代社会における疲労は、これらの原因がいくつも絡み合っているのが特徴です。
最近では、生活習慣病の関連も注目されはじめました。

これまでの研究で、疲労すると眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)と呼ばれる部位の血流が上昇することがわかっています。眼窩前頭皮質は、意欲や情動と関連しているといわれています。さらにこの部位は、思考や計画、新しい行動への意欲を駆り立てる前頭前野、および集中力や注意力を司る前帯状回と、神経伝達物質によって相互に連絡し合っています。そこで、眼窩前頭皮質、前頭前野、前帯状回の三つの回路が連携して疲れを認識し、体の活動にブレーキをかけている状態が疲労と考えられるのです。

疲労は交感神経優位の状態、高サイトカイン血症のサインも疑われる

 現在、大阪市立大学大学院医学研究科では、文部科学省の科学技術振興プロジェクトである21世紀COEプログラムの一環として、2004年から「疲労克服研究教育拠点の形成」に着手し、疲労の本態を解明する研究を開始しました。翌2005年には、疲労に対する診断・治療とともに、疲労の客観的評価と新しい技術の開発に向け、疲労クリニカルセンターを立ち上げ、慢性疲労外来と疲労ラボを併設しています。

その取り組みの中で透析患者の疲労度が高いことが示唆されました。これは透析患者1122例(平均年齢60.9歳)と慢性疲労症候群患者325例(36.9歳)、健常者172例(30.7歳)を対象に、疲労度の違いを調査したもので、透析患者の疲労度の平均スコアは、慢性疲労症候群患者に比べて有意に低いものの、健常者よりは有意に高いという結果でした。さらに個々の患者群の疲労度スコアを、通常、軽度、中等度、重度の4群に分けると、透析患者は通常と重度の疲労に大きく分かれました。すなわち、透析患者の中には慢性疲労症候群患者と同程度の疲労を訴える人が多いことがうかがわれます。

そこで、透析患者のうち疲労度の高い群の特徴を調べたところ、残業などの過重労働が多い傾向と、自律神経失調症状を呈する割合が多いことが認められました。さらに、睡眠中の自律神経の状態を調べた結果では、疲労度の高い群では交感神経が優位になっていることも確認されました。

交感神経優位になると睡眠が断続的になるため、睡眠によって疲労がとれないことは想像できます。この交感神経優位という自律神経症状の背景には、高サイトカイン血症の存在が考えられます。今後は、自律神経症状が著しい透析患者について、高サイトカイン血症の関与から慢性疲労が生じているかどうかの評価が求められます。

つまり、サイトカインの血中濃度の上昇による疲労を診療評価に用いることが透析患者のよりよいQOLを得る手段となると思われます。

睡眠は食習慣、運動につづく疲労回復の鍵

それでは、どのような疲労が問題になるのかみてみましょう。疲労の中にも段階があります。具体的には、1〜2週間に1日程度、疲労のために仕事ができない、欠勤する、もしくは主婦の場合なら家事ができないことがあるという状態が疲労の前兆と考えられます。そして、この段階でも発熱、食欲低下、睡眠障害などの、自覚症状が出現することがあります。これを信号に例えれば黄色の段階にあたり、まさに病気を警告している状態ともいえます。したがって、こうした傾向が1〜2ヵ月続くときは赤信号と考えられ、かかりつけ医を受診し原因を調べる必要があります。

しかし、黄色信号より前の段階として、前日の疲れが睡眠によって改善されないという状態があるはずです。
仕事を休むほどではなくても、疲れがとれない、だるさが残るといった状態です。これは青信号ではありますが、実はこの時すでに体が異常を知らせていると考えるべきです。そして重要なことは、この段階であればまだ医療機関を受診する必要はなく、自分自身で十分対処できる段階ということです。まず日常の食事の改善や運動習慣の見直しとともに、睡眠の状態を考える必要があります。近年の生活習慣病の治療では、食事や運動の指導は行われても、健康的な睡眠の重要性はあまり意識されていません。しかし、睡眠こそ疲労回復の鍵を握ることを認識すべきです。

睡眠時間の目安は6〜7時間とされ、それ以上長くても短くても疲労度が高まるといわれています。そして、快い睡眠を得るためには、部屋の明るさや騒音、室温、湿度、壁紙の色、枕の高さなどを見直し、睡眠環境を整えることが大変重要です。また、交感神経と優位にしないために、就寝前の入浴では熱い温度を避け、過度な食事やアルコール摂取も控えるべきです。それでも睡眠に問題があれば、少量の睡眠導入剤も考慮します。


ビタミンB1は疲労時に低下する細胞の働きを正常化する

疲労回復には、ビタミン薬などの服用も推奨されます。特にビタミンB1やC、クエン酸、アミノ酸などの疲労に対する効果は、臨床的にも確認されています。例えば、疲労時には細胞内のエネルギー産生が低下しますが、ビタミンB1はそれを正常化する働きがあるといわれています。またビタミンCは、疲労により発生した活性酸素を除去する抗酸化作用を示すとの報告もあります。大阪市立大学大学院医学研究科でも、現在ビタミン薬の効果を透析患者を対象に検討しています。まだ解析の途中ですが、すでにビタミン薬が疲労回復に十分な効果を発揮しうることを実感しています。

今日では未病、すなわち病気に至る前に予防することがより重要と考えられています。また、かっては長生きであればそれだけで意義あることと考えられていましたが、現在はいかに健康でQOLの高い長寿を実現するかが目標となっています。

高血圧や糖尿病など生活習慣病と疲労との関連は否定できません。したがって、そうした疾患のサインを見逃さないという意味でも、疲労を重症度でみるのではなく、例え軽症でも蔓延化させないこと、蓄積させないことをまず考えていただきたいと思います。初期の疲労は、自分自身で十分対応可能であり、軽症のうちにビタミン薬や睡眠で改善しておくことが大切です。そうしたうえで、疲労が1〜2週間続くようであれば、医療機関を受診し原因を探ってみてください。それでも基礎疾患が認められず、原因不明の疲労が続くとすれば、疲労の専門医にご相談いただくことになります。

健康な人生をまっとうしていただくために、疲労を軽視しないことが大切です。       

(武田薬報 453号より)

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