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●脂肪細胞を科学する! 

Dr.健康ミニ講座

脂肪細胞のサイエンス

~ 肥満はこうして起きている ~

近年、世代を超えた肥満人口の拡大が、国内外で問題になっています。
その理由は、肥満がメタボリックシンドロームの重要な診断要因であり、多彩な健康障害の原因となるだけでなく、労働資源の損失や医療経済的な負担増など、社会に与える影響が想像以上に大きいと考えられているからです。肥満の背景には、生活レベルの向上がもたらす高脂肪商品の過剰摂取や、機械文明の発達による運動不足などが指摘されています。しかし、より効果のある肥満対策を考える上で、まず肥満のメカニズムを知り、その根本原因を探ることが必要ではないでしょうか?シリーズ第2回目は、肥満を左右する脂肪細胞にフォーカスをあて、肥満の研究をされている国際医療福祉大学・病理学教授の杉原甫先生に解説していただきました。

肥満は、白色脂肪細胞の肥大と増殖  

私たちが摂取した過剰なエネルギーは、脂肪細胞に蓄積されます。脂肪細胞には、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞があります。白色脂肪細胞は生体のいたるところに存在し、さらに皮下脂肪と内臓脂肪に大別することができます。皮下脂肪は下腹部、臀部、大腿や上腕に多く蓄積し、内臓脂肪は胃、腸。心臓などの臓器の周囲に蓄積します。

そして、肥満のメカニズムを細胞学的に考えると、過剰なエネルギーを白色脂肪細胞に貯蔵し、肥大、増加している状態ととらえることができます。一方、褐色細胞は蓄積した脂肪をエネルギーに換えて消費する細胞といえます。

肥満の指標には、BMIが用いられます。BMIは、体重÷(身長(m)×身長(m))で求められ、一般的には22程度が普通体重と考えられています。

例えば、身長170の人であれば、体重63程度が普通体重ということになります。私は、脂肪細胞が集まる脂肪組織を,走査型電子顕微鏡を通して長年観察してきました。

普通体重者の白色脂肪細胞を走査電子顕微鏡で見ると70〜90μmの球形をしたぶどう状の成熟脂肪細胞とその周囲を取り巻くたくさんの毛細血管とコラーゲン繊維が観察されます。そして、これらの脂肪細胞と毛細血管が数百個単位集まり、一塊りとなったものを小葉と呼びます。
脂肪組織1あたり3・5の毛細血管が取り巻くといわれ、体の血管の約30%が脂肪細胞の周囲に存在することがわかっています。

白色脂肪細胞は、私たちが摂取した栄養を細胞質で中性脂肪に合成し、細胞内に蓄えながら肥大していきます。そして100μmぐらいになると、細胞同士が密着して、球形ではなく多面体となります。その形状はもはや「ぶどう状」ではなく、「とうもろこし状」あるいは「石垣状」と表現できます。
 
私の研究において、この白色脂肪細胞は最大で約130μmまで肥大することを確認しています。これは、酸素が血管外に出てからの拡散距離の限界が百数十μmであるためではないかと考えています。130μmという大きさは、成人普通体重者の脂肪細胞の約1・3倍、そしてこの脂肪細胞の肥大により、その体積は1・3の3乗である2・2倍にあたります。

例えば男性の場合、白色脂肪細胞が体全体の約0%を占めるため、63の普通体重者は約13の白色脂肪細胞を有することになります。そしてその細 胞が極限まで肥大すると2・2倍、すなわち29に増え、体重は79になりますが、身長170の場合、BMIは27程度ですから、軽度の肥満でしかあ りません。

しかし現実には、BMI27以上の肥満者がたくさんいます。それはなぜかといえば、これ以上の栄養を貯めることができなくなった(肥大できなくなった)脂肪細胞は、次に増殖するという方法を取り始めるのです。このようにしてさらに肥満が進展するのです。

脂肪を熱に変換する褐色脂肪細胞

白色脂肪細胞が中性脂肪を貯め込む脂肪細胞であるのに対し、褐色脂肪細胞は、蓄積した脂肪をエネルギーに換えて、消費する細胞です。

例えば、リスやクマなどの冬眠動物は、秋に食べ物をたくさん摂取して褐色脂肪細胞を増やし、冬眠中は徐々に脂肪を燃焼しながら体温を維持しているのです。
そして、私たちの体温調節にも、この褐色脂肪細胞が関与しているようです。

褐色脂肪細胞は限られた部位にしか存在せず、一般的には背中の肩甲骨の間に多く蓄積され、また首や腎臓の周囲にも存在します。
私が最近病理検査をした患者さんの中に、首筋の後ろに褐色脂肪腫ができた男性がいました。瘤のように突起していた脂肪腫は、さすがに寝るとjきに邪 魔だということで切除しました。切除前と同じ食生活をしていたら太るかもしれませんと、主治医を通して注意してもらっています。

また「痩せの大食い」と呼ばれる人たちの中には、褐色脂肪細胞を豊富に有している人がいるかもしれません。少々食べ過ぎても、褐色脂肪細胞がどんどん脂肪をエネルギーに換えるので太らないのでしょう。
褐色脂肪細胞には交感神経が集まっており、その刺激による褐色脂肪細胞の活性化が、肥満の回避に応用できるかもしれません。

脂肪細胞は、3つステージを経て増える

脂肪細胞の増え方にはいくつかのパターンがあります。
例えば、最大に肥大した白色脂肪細胞を見ると、その間に小さな球形の細胞が数多く観察されます。つまり、成熟し、肥大しきった脂肪細胞は、新たな脂 肪細胞を生み出すのです。また、思春期の女性は、急に体が丸みを帯びてきますが、短期間に肥満が進むような場合には、脂肪細胞が二つに分裂して増殖する様子が観察されます。これを細胞質分割型細胞分裂と呼んでいます。

さらに成熟した脂肪細胞は、球形ではない細長い繊維芽細胞様の未熟脂肪細胞も産生します。成人の肥満や思春期の肥満では、脂肪細胞の肥大と増殖が穏 やかに繰り返されますが、病的な肥満や腫瘍などの局所的および急激な増殖では、細長い繊維芽細胞様の未熟細胞が多く見られるという特徴があります。
 
私はこうした観察データーの結果から、脂肪細胞の肥大と増殖を3つのステージに分類しています。

まず、脂肪細胞の肥大を中心に進行している状態を、肥大優性型と呼びます。概ねBMIが30程度までの、軽度の肥満に見られるステージです。

次に、肥大と増殖が並行して進行している状態で、これを肥大・増殖型と呼んでいます。
このステージはBMIが30以上の中等度肥満に見られるステージです。

さらにBMIが40以上の重度の肥満になると、脂肪細胞の活発な増殖が観察されます。こうした状態を増殖優性型と呼びます。
すなわち、肥満は一つの増殖形態に固定された病態ではなく、脂肪細胞のステージの変化ととらえることができるのです。

脂肪細胞のアポトーシスは、肥満するとほとんど起きない

 体のほとんどの細胞は、体の恒常性を保つために、アポトーシス(生理的な死)を繰り返します。それでは肥満すると脂肪細胞も適度にアポトーシスを起こし、細胞数がコントロールされるのでしょうか。そうではないようです。

アポトーシスを起こしている脂肪細胞を走査電子顕微鏡で調べると、その数は不通体重者および肥満者では1%以下で推移し、痩せてくると2%程度に増 加します。つまり痩せてくると、脂肪細胞は不必要とみなされて減少するのです。しかし、肥満すると、脂肪細胞は肥大・増殖に向かい、その状態を維持するた めにアポトーシスはほとんど起きなくなります。

脂肪細胞が肥大している状態は栄養豊富な状態で、せっかく栄養を維持している細胞を生体がわざわざ死滅させるわけがないのです。
そして成熟脂肪細胞は、アポトーシスを抑制するためのサイトカインを産生しているとの報告もあります。つまり、一度太りはじめると、痩せるのはなかなか難しいということかもしれません。

肥大した脂肪細胞はマクロファージを呼び寄せる

 肥満とインスリン抵抗性の関連が示唆されています。
 
インスリン抵抗性は、ある一定濃度のインスリンが血中に存在しているにも関わらず、その濃度に相当する血糖調節作用(肝臓での糖新生、筋・脂肪細胞への糖の取り込み作用)が発揮されず、血糖値が上昇する病態です。
 マ
クロファージは本来、体内に侵入した異物を補食する細胞ですが、近年、肥大した脂肪細胞が、マクロファージを呼び寄せる走化物質(MCP-1)を産生し、肥満した人の脂肪細胞の周囲にマクロファージが集まっている様子を観察したことが報告されました。
 
この所見は私も観察しました。そして、それならばマクロファージと同様に、インスリン抵抗性を引き起こすTNF-αを産生するマスト細胞もいるはずだと調べたところ、やはり浸潤していました。
つまり、肥満が進行するとマクロファージとマスト細胞が脂肪細胞に影響を与えて、インスリンの作用が発揮されなくなると考えられるわけです。
 
この考えにはまだ十分なコンセンサスが得られていませんが、肥満とインスリン抵抗性の関連を推測させる興味深い知見ではないかと考えています。そ して、メタボリックシンドロームをはじめ、肥満との関連が示唆されている多様な疾患の発症機序を解く鍵が、脂肪細胞にあるという証左が、近年次々に示され ております。

脂肪細胞のサイズに対する新たな疑問

さて、これまで日本人成人普通体重者のし棒細胞の大きさは70〜90μmと述べてきましたが、私は最近、非常に大きな疑問に直面しています。これまでの検証の中で、ヒトは痩せてくると脂肪細胞が急激に小さくなり、30μm程度の大きさが主流になることがわかりました。脂肪細胞の多くが約30μmの大きさである成人のBMIは18前後です。この数値は、日本で最古の身体検査記録である明治30年代の成人男性のBMIに相当しています。
 
ヒトの細胞は通常、肝細胞でも腎細胞でも、すべて3〜4倍にまでは肥大できます。直径が1・3倍しか肥大しないのは脂肪細胞だけなのでう。しかし それは、通常サイズを70〜90μmと仮定した場合であり、もし固有の脂肪細胞が30μmであるとすれば、肥大の上限と考えられる130μmは4倍以上に なり、他の細胞と変わらなくなります。
 
かなり肥満した人でも、顔や手足の脂肪細胞は30μm程度です。もし、30μmが日本人成人の固有のサイズであるとしたら、普通体重者で70〜90μmという現代人のほとんどが既に太っているということになるのではないでしょうか。
われわれは今、肥満に対する考え方を変えなければならない時代を迎えているのかもしれません。

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