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叢 法滋(そう ほうじ)先生

●高血圧

■脳卒中

画像の説明

日本では、現在がん、心臓病に次ぐ死亡原因の第3位にランクされている「脳卒中」。生活習慣病の中でも死亡率が高く、半身不随などの後遺症が残りやすいのが特徴ですから、何よりも予防が大切な病気です。特に50代以上の人は要注意。血液をサラサラにする生活で、しっかり予防しましょう。

脳卒中は「出血型」と「虚血型」の2タイプ

脳卒中は、脳の急激な血液循環障害による疾患で、「出血型」と「虚血形」の2つのタイプがあります。
「出血型」には、脳出血とクモ膜下出血、「虚血型」には脳血栓と脳梗塞が挙げられます。

「脳出血」=一般的によく見られるのは、高血圧による脳動脈硬化で引き起こされた、脳内血管の破裂による出血です。半身不随や口元のゆがみ、昏睡などの症状があります。誘因としては、過労や高血圧、過度の飲酒、激怒などの情緒の急激な変動などで、特に寒さが厳しくなる冬季から春先にかけて発病率が高くなるのが特徴で、その多くは運動中に発病する傾向があります。

「くも膜下出血」=脳は蜘蛛の巣のような膜で被われていますが、クモ膜と脳の表面の間に小さな動脈があります。その脳動脈に瘤が形成され、血圧が上昇したり、排便時のりきみなどによって脳動脈の血管が破裂して出血します。誘因として脳動脈瘤や高血圧の他に、動脈硬化、外傷などによっても引き起こされます。突然の激しい頭痛や嘔吐、意識を失うなどの症状が見られます。

「脳血栓」=脳動脈の血液粘度が高くなって血栓が形成され、そのために血流が妨げられて、脳細胞の壊死や脳軟化を引き起こします。多くの場合、発作が起こる以前から、めまいや舌のもつれ、手足のしびれなどの前兆が見られます。また、夜間の発作が多いのが特徴です。

脳梗塞」=弁膜症や心拍異常、内膜炎などによって心臓の中で形成された血栓が脱落して脳動脈に詰まり、脳細胞の壊死や軟化が引き起こされる疾患で、半身マヒや昏睡などの症状があります。

「瘀血」を取り除く「活血化瘀」で予防

脳卒中は、突然発作が起こるのが特徴ですが、自然界の風のように症状の変化が激しいことから中医学では、脳卒中を「中風」と呼んでいます。中医学では「治風先治血、血行風自滅」(中風を治すにはまず血液を治療し、血液の流れを良くすれば自然に中風が消滅する)と言われます。つまり、脳卒中の原因である血液の流れが滞っている「瘀血」を治すことが大切ということです。

脳出血は、高血圧や脳動脈硬化、脳内の小動脈硬化によって形成された瘤によく見られます。この瘤や動脈硬化が、血液循環障害を引き起こし、血液の流れを緩慢にします。流体力学からみても血液の流れが速いほど血管への抵抗が減り、ゆるやかになるほど圧力が大きくなります。つまり、血液がスムーズに流れていれば、血管への圧力はゆるやかで、急激な興奮や排便時のりきみなどで、たとえ一時的に血圧が高くなっても、血管の破裂や出血を起こしにくくなります。

血液が濁ってネバネバした状態の場合、血液の流れは緩慢になり、血管に対する抵抗力が増加すると、小動脈瘤が形成されてもろくなっている血管部分は、血圧が急に上がった時に血管が破裂しやすく、出血が起こります。

脳出血を防ぐには、まず血圧が高くならないようにコントロールすること。そして血液をサラサラにする「活血化瘀」が大切です。血液をきれいにし、血行をよくすることは、脳出血だけでなく、高血圧による動脈硬化や脳血栓も予防することになります。

脳卒中は、成人病の中でも発病率や半身不随などの後遺症、脂肪率などのリスクが高い病気ですから、何よりも予防が肝心です。

中医学では「瘀血」を予防・改善する処方として、丹参、赤芍、川芎、紅花、地竜などの活血化瘀作用のある生薬を組み合わせたものを用いています。ただし、その人の体質や症状によって処方も変わりますので、詳しいことは、必ず専門の薬局・薬店で相談するようにしてください。

臨床データによると、50〜60代に脳出血が多発し、60歳以上では脳血栓が増加する傾向がありますから、50歳から予防する生活を心がけましょう。食事はなるべく塩分(1日6g以下)を控えて、野菜や海藻類を多く食べること。また、肉類よりも魚類をとり、良質のタンパク質を摂取すること。他に飲酒量は少なめにして、禁煙を実行すること。そして、1日30分程度の軽い運動や散歩で新陳代謝を高め、十分な睡眠をとることが大切です。

脳卒中

出血型
・脳出血
・くも膜下出血

虚血型
・脳血栓
・脳梗塞

予防のポイント
1、血圧のコントロール
2、血液をサラサラに保つ

生活習慣の改善
○適当な運動
○体重のコントロール
○十分な睡眠
○魚、野菜、果物、海藻、とうふ等をとる

×アルコールのとり過ぎ
×喫煙
×動物性脂肪のとり過ぎ

(チャイナビュー 25号)

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