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日中不妊事情考察

不妊と漢方
日中不妊事情考察

中国の不妊患者を訪ねて

日中不妊事情考察

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福建省政和県禾洋村の送子観音

 古来より「子は人生最大の宝」という意味で使われてきた「子宝」。たとえ国が違ってもその思いは共通であろう。しかし、切望しても子宝をなかなか授かることができない「不妊カップル」が近年増えている。

日本では10組に1組、ひとりっ子政策で知られる中国でも8組に1組が不妊症だといわれる。不妊の悩みは周囲に理解されづらく、当事者の精神的負担は大きい。日本ではここ数年、体外受精などの高度生殖医療を実施する施設数の増加に伴い、不妊治療を受ける人も増えてきた。

中国では不妊症に対し、患者や医療者はどのようなアプローチをするのだろう。南京と蘇州を訪ね、その現状をリポートする。


子授け観音が祀られる寒山寺

 まずは蘇州にある寒山寺を訪ねた。南京から東へ約250キロ、江蘇省の南東部にある蘇州は、外城河をはじめ至る所に細かい運河が張り巡らされている。水辺に立ち並ぶ家々や往来する小舟の美しさは「東洋のベニス」と称され、多くの観光客が訪れる。中でもひときわ有名なスポットが寒山寺である。運河と緑に囲まれた静謐なたたずまいのこの寺は、観光客はもちろん地元の人も数多く訪れる。

正面をくぐると、強烈な線香の煙と匂いに迎えられる。見ればその広場には大きな香炉が設置され、訪れた人々はろうそくをともし。次々に線香を焚いていた。煙が立ち上がる長い線香の束を手に、深々と頭を下げて一心に祈りをささげている。

賑わいを見せる広場のやや左奥の観音菩薩の前には、ひっそりと手を合わせるカップルがいた。中国では観音菩薩は子授けの神としても知られており、中でも送子観音と呼ばれるものはその名の通り「子どもを送って(贈ってくれる)」御利益があるという

日本にも子授け神社や寺は各地に存在し、不妊カップルはそこを訪れたり、お守りを身につけたりする。中国でも同じだということなのだろう。この観音菩薩はカップルだけでなく女性が一人で訪れることも多いという。熱心に祈る彼らの後姿から「早く子どもに恵まれますように・・・・・」という切実な願いが聞こえてきそうな気がした。


結婚後一年半から周期療法を開始

 実際に不妊で悩む人々はどんな思いで治療に取り組んでいるだろうか。二組の中国の不妊体験者の話を聞いた。

南京の市街地に住む余さん夫婦は、3年前に待望の子どもを授かった。結婚は妻の呉さんが25歳、夫の余さんが30歳の時。その後一年半経っても妊娠しないことに焦りを覚えた2人は、南京中医薬大学付属病院で周期療法を行い、半年で妊娠、出産に至った。

不妊期間が2年というのはさほど長くないと思われるかもしれない。けれども2人は結婚前の12年間交際しており、その間には流産という悲しい経験も経ている。

だからこそ、結婚してからは1日も早く我が子をこの手に抱きたいと願い、健康にことさら気をつけたという。

食事は身体に良いものをバランスよくとるように心がけ、刺激物はいっさい口にしないようにし、夫は酒もタバコもやめた。しかしいっこうに妊娠する気配はなく、毎月生理が来てしまう。気持ちは焦るばかりで、とてもつらく悲しい日々を送ったそうだ。


プレッシャーも2人で乗り越えて

「周囲からのプレッシャーはやっぱりありました。双方の親には不妊の悩みはちゃんと話していたので問題なかったのですが、たとえば母の友達が『娘さんは結婚したのにまだ子どもができないの?』と母に聞くんです。母もかわいそうだし、私もつらかった」。

夫の余さんも友人などから子どもができないことでからかわれることがあった。

「でも、周囲の声はできる限り気にしないように努めました。悩みは2人で分かち合い、励まし合ってきましたね」と夫の余さんは語る。しかし、このように夫が協力し、妻に寄り添うケースは中国でもまだごく少数派であるという。

日本では最近やっと不妊の当事者は「女性」から「カップル」にかわりつつあるが、まだその割合は多くはなく、「不妊は女性が抱える悩み」との社会通念は拭い去れない。日本でも中国でも、夫たちの意識はいまひとつというところのようだ。


幼い頃から親しんだ漢方で治療

 2人が不妊の治療法として中医学を選んだのは、ごく自然な流れだった。幼い頃から慣れ親しんできたし、特に妻の呉さんは風邪や頭痛の時にも西洋薬ではなく漢方薬を飲む。それが習慣であり当然のことだという。

病院で2人とも一通りの不妊症の検査を受け、器質的には問題がないと分かった時点で、西洋治療を行うのではなく漢方薬で治療しようと決めた。そして半年後、「妊娠」が分かった瞬間の気持ちは、とても言葉にならなかったと2人は相好を崩す。

「18歳の時から付き合っていて、そのとき32歳。長かった。やっと父親になれるという喜びでいっぱいでした」(余さん)。

「私たちは、流産した時やつらい時期も、願いはいつか叶うと信じて、常に希望を持ち続けてきました。半年間という短い治療期間で妊娠できたのは、本当に運がよかったと思います。不妊症に悩む、より多くの人たちが願いどおりに子宝に恵まれることを祈っています」(呉さん)。


30歳をすぎてから妊娠を意識

 
 景さん(38歳)が結婚したのは25歳の時。エンジニアとして充実した毎日を送る彼女は、妊娠はまだ先でいいと考えていたという。しかし30歳を過ぎた頃、友達や親戚に赤ちゃんが生まれると無性にかわいく、たまらなく愛しく思うようになった。会うたびに抱かせてもらったり、おもちゃやお菓子をプレゼントしたりするのが楽しかった。

「赤ちゃんが欲しい」と強く意識し始めたのはその頃からだ。けれどもすぐに治療を始めたわけではない。多忙で通院の時間も取れなかったし、不妊で悩んでいること、ましてや不妊治療をすることを周囲の人々に知られるのに強い抵抗を感じたからだ。

「夫婦ともに健康であれば、自然に妊娠できると多くの人は考えています。そしてそれが叶わないのは問題であり、恥ずかしいことだという考え方の人もいるんです」と景さん。

だから不妊の悩みはごく親しい友人だけにしか話せなったという。やはり日本だけでなく中国でも不妊はタブー視されることが多いのである。


「自分に合う」と中医学を選んだ

彼女が不妊治療として中医学を選択したのは、過去の経験からである。20代の時に腎臓を患い、西洋医の病院で治療を行ったのだが、なかなか治らず転院。それでもやはり長いこと治癒に至らず、薬の副作用でかえって体調を崩し、つらい思いをした。その時、友人の紹介で中医師のもとに通って漢方を飲み始めたところ、病気が回復したのだ。

「私は漢方薬がとても自分の身体に合っていると実感しました。だから、欲しいと思ってから数年間子どもができなくて、いよいよ治療しなくてはと思ったときには、迷わず中医学を選んだのです」。

2年ほど周期療法を行い、基礎体温も整って体調がとても良くなってきた。その頃仕事が多忙になったこともあり、漢方薬を一時中断。おりしもそのタイミングで妊娠し、2005年6月に待望の男の子を出産した。

「あれほど欲しかった子どもを、結婚13年目でやっと授かることができて、今は毎日が本当に幸せです。友人にも若返ったみたいといわれます」と語る景さんの顔には満面の笑みが広がった。今は母親としても忙しい毎日を送っている。


臨機応変に西洋医学も併用

 日本で何らかの治療を始める時に、西洋医学と東洋医学の選択を迫られたら、それは完全な「岐路」であると考える人が多いだろう。しかし、その両方を選択するという方法も、実はある。それが「中西医結合」なのである。

「中西医結合」とは、中医学(中国漢方)と西洋医学、両方のいいところを上手に利用するという考え方に基づく治療法だ。中国の中医師たちは西洋医学の勉強も経ているので、漢方を処方するだけでなく他の西洋医療手技、たとえば外科手術なども行う。

中医病院には西洋医学の設備も整っているので、治療に際しては、診断に必要な検査や手術などは、西洋医学のプロセスをたどり、投薬に関しては患者の要望や必要に応じて漢方薬と西洋薬を使い分ける、あるいは併用するのである。


中国でも不妊症患者は増加している

 今回取材した談教授が勤める南京中医薬大学付属病院(江蘇省中医院)は、救急外来も備えた大規模な中医病院だ。入院棟、救急棟などいくつもの病棟に分かれている。外来棟は、毎日朝早くから受付を持つ大勢の患者で込み合っている。

 一階には総合受付や会計などがあり、診療科目は内科、婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科など全部で30科に分かれている。一見したところ日本の大学病院と似たような雰囲気で、これが漢方を中心とした中医学の病院なのかと思うと、患者の数とともにその規模に圧倒される。

婦人科には一日約400人が訪れるが。そのうち約30%は不妊症に悩む人であり、その数は年々増えているという。日本では初婚年齢の上昇が不妊原因の一つとも言われているが、中国ではどうなのだろう。

「中国でも以前と比べて女性の初婚年齢は上がっていますね。それに伴い不妊症の人が増えていると思います。また不妊の原因としては性感染症や流産、骨盤内炎症なども増えてきています」と談教授は語る。骨盤内炎症とは、卵巣や卵管をはじめとする骨盤内の器官に起こる炎症のことで、あまり痛みを伴わないことが多いため発見が遅れ、ひどくなると癒着を起こす場合もあるという。

談教授はこのようなケースを見極めるためにも、不妊症の患者には、まず不妊の基本検査を行うことが必要であると主張する。初診の際にこれといった既往症がなく、基礎体温も安定している場合は特に、夫婦ともにまず基本検査を行うよう勧める。

「以前、10年間も漢方薬で治療していた女性がいて、そのご主人は何度勧めても検査も治療も受けなかったのです。10年経ってやっと検査を受けたところ、なんと精子が全くない男性不妊症だったと分かったんです」。

それ以来、訪れる不妊カップルには必ず精液検査や子宮卵管造影、感染症やホルモン検査などを行い、不妊の原因を明確にし、治療法について患者とじっくり話し合っている。

漢方を中心とする中医学の治療では、患者の体調はもちろん、生活習慣や考え方なども治療の方向性を見極める大切なヒントとなる。談教授は不妊症患者に対しては特に「治療開始の段階でよく話をし、患者の希望を理解する」ことを重視している。

検査で原因が特定できない機能性不妊の場合は、数値には表れないストレスや気の流れなどを整えて妊娠力を高めるために、漢方薬を用いるのが基本だが、患者の年齢が高く「一刻も早く妊娠を」と望む場合などは、最初から西洋薬を併用することもある。

中西医結合を唱える中医学の世界の中でも、談教授は特に先進的だ。1990年に日本の旭川医科大学に研究生として来日。その後7年間の在日期間中に西洋医の医学博士の資格も取得した。中西医両方の良さを知り抜いているからこその信念ともいえよう。

この病院では、人工授精や体外受精も行える、中医学と西洋医学の治療方法を共に取り入れた生殖医療センターを現在建設中だ。「周期療法で体調を十分に整え、万全の体制で人工授精や体外受精に臨む」(談教授)ということも、今後もっと増えるだろう。


中医学の不妊治療「周期療法」

女性の基礎体温は、高温期と低温期の二層に分かれており、生理周期は個人差があるが28〜35日が理想とされている。その間、身体では卵胞期、排卵期、黄体期、月経期と4つの変化が起こっている。周期療法とはこの変化に合わせ、その時期に必要な力を漢方薬で補うもの。

健康であれば自力で十分にそれぞれの働きを発揮するのだが、現代人は生活環境やライフスタイルの変化、また多様なストレスからか、生理不順をはじめ男女ともにホルモンバランスを崩している場合が少なくない。そこで漢方薬を用いて、本来備わっているはずの妊娠をする力を取り戻そうというのだ。


周期に合わせて漢方薬を飲み分け



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 卵胞期から排卵期は卵胞が育ち、子宮内膜が厚くなり始める時期。そのため生理で不足した血を補い、卵子と内膜の育成を助ける漢方薬を使用する。排卵後の黄体期は子宮内膜の厚みが増す時期なので、内膜をやわらかく整え、子宮を温かく保つための漢方薬を。子宮内膜がはがれて生理を迎える月経期には、古い内膜をきれいにはがして排出させ、次周期に向けて子宮を整える漢方薬を用いる。

このように周期に合わせて適した漢方薬を飲み分けることにより体調を整え、妊娠への後押しをはかる中医学の周期療法は、南京中医薬大学付属病院婦人科の名医・夏桂成先生が考案したもので、中国の不妊治療では実績が注目されている。近年、日本でも紹介され、日本中医薬研究会のグループが、毎年当病院で研修も行っているそうだ。


周期療法で用いられる代表的な生薬と漢方薬

枸杞子(クコシ)                
ナス科枸杞の果実を乾燥させたもの。滋養強壮・養血明白の作用がある。
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当帰(トウキ)
セリ科の当帰の根を乾燥させたもの。補血や子宮の機能調整作用がある。 
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熟地黄(ジュクジオウ)
ゴマノハグサ科アカヤジオウの根茎を乾燥したもの。滋養強壮、強心、性ホルモン促進などの作用がある。
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白芍(ハクシャク)
ボタン科芍薬の根の外側の皮を除いて乾燥させたもの。補血、痙攣を緩める作用がある。
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紅花(コウカ)
キク科紅花の花冠を乾燥させたもの。血行を改善し、子宮の機能活発化作用がある。
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川芎(センキュウ)
セリ科の川芎の根茎を乾燥させたもの。鎮痛や活血(循環改善)の作用がある。

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国を超えても不妊の悩みは同じ

 今回中国の不妊治療患者を訪ねて感じたことは、不妊というトラブルを抱えるカップルの悩みやつらさは、国境を越えて共通点が多いということだ。周囲からのプレッシャーや自分たちだけ授かれない悲しみと焦り、そして不妊であることを気軽に相談できないという苦しさも日本と同じである。またそれを乗り越えてゆくには、夫婦が互いに協力することと周囲の理解が必要であることも。

今回紹介した2組のカップルはたまたまそれらを得ることができていたが、「自分たちはその分ラッキーだと思う」との言葉が、その難しさを物語るようで印象的だった。


中医学はオープンなシステム

 日本との違いで驚いたことの一つは、中医学のカルテの管理システムである。患者は初診の際にカルテを購入し、自分自身で管理するのだ。診察の際にはそれに医師が症状などを書き込む。不妊症患者の場合は、超音波検査時の画像もそのカルテに張りつけるし、処方した薬も全部書き込まれる。患者はカルテを自宅に持ち帰り、いつでも自分で確認することができるので安心感につながるという。

転院時にはカルテをそのまま次の病院に持っていけばよい。これまでの治療経過が全部記されてあるため、次の医師はそれを見れば患者の治療歴が一目でわかる。

これは患者だけでなく医師にとっても非常に便利なことである。医師は治療法については患者とよく話をし、できるだけ患者の希望を尊重する。不妊症なら患者が漢方薬を望めば周期商法を中心に治療を行い、西洋医学を望めばそれにも対応する。もちろん併用も可能だ。


生活習慣そのものがヘルシー

 また生活習慣にもいくつも違いがある。中国の日常の暮らしの中には、おのずと身体を気遣う工夫が随所に見られた。

市場には日本ではお目にかかれないような野菜や香辛料、さまざまな種類の穀物が山積みされており、日本なら薬膳料理に用いられる食材のナツメ、サンザシ、ハスの実などもキロ単位で売られて普段の食卓に並ぶ。身体に必要な栄養素は代替品で補うのではなく、できるだけ毎日の食生活で採り入れる。まさに「医食同源」なのだ。

また人々はよくお茶を飲み、ビンに入れて持ち歩くほどだ。内臓を冷やして身体に負担をかけないように、真夏でも熱いお茶が当たり前だ。早朝の公園には老若男女が集い、太極拳や体操など思い思いに身体を動かして一日の気を養う。国が急成長を遂げようとし、林立する高層ビルとしもた屋の混在する都会でも、昔ながらの習わしは何ら変わることなく続けられている。

中国の人々は自分の身体と、とても自然に向き合っていると感じた。そして古くからの習慣を大事にしながら、良いと思えば新しいものもすんなり受け入れて融合させる人々の姿勢は、今回取材した中医学の理念と通じるものがあり非常に合理的だと感じた。カルテのシステムや習慣とともに、日本でも上手に取り入れることができれば、不妊症へのアプローチはますます広がりを見せるだろう。

(チャイナビュー 85号より)
**この記事が紹介されているチャイナビューをご希望の方に差し上げます。お気軽にどうぞ!

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