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睡眠のかがく 弟三夜 体温と睡眠

Dr.健康ミニ講座
睡眠のかがく 弟三夜 体温と睡眠

睡眠のかがく 弟三夜 体温と睡眠

〜 眠れない夜も深部体温を下げて快眠を 〜    

 恒温動物である人間が外界の温度変化にあまり影響されずに活動できるのは、常にエネルギーを産生して体温を一定に保っているからです。一方、夜になると疲れた脳や身体をしっかりと休憩させるために、体温を積極的に下げて睡眠へと導くシステムが自然にはたらきます。このような体温と睡眠の関係は、ここ10年で体系的な理解が進んできました。
 そこで第三夜は、精神神経学や睡眠学、時間生物学の専門家である内山真先生に、体温と睡眠の関わりや、快適な睡眠をとるためのヒントについて伺いました。



■ 動物の進化と体温の変化
 ヒトの体温は恒温動物とはいえ、変動します。そこで「体温がなぜ変動するのか」を考えるには、動物の進化の過程をたどっていくと、より興味深いと思います。

 脊椎動物の祖先は魚類といわれています。魚は温度変化の非常に少ない水中に棲んでいるため、体温を調節する必要がありません。ところが生息域が混んできて敵が増えたため、やがて浅瀬に棲むようになるものも現れ、陸に上がる動物が出てきました。それがカエルなどの両生類です。陸は敵も存在せず餌も豊富ですが、一日のなかで昼夜の温度差があるため、温度変化の少ないところで暮らしていた動物にとっては、どうやって耐えていくのかが大きな課題となりました。そこで両生類は寒くなると活動を停止することで環境に適応するようになりました。次に登場したヘビなどのハ虫類も同様です。
 一説によると、体を巨大化して、体の内部の熱を冷めにくくした動物が恐竜であり、その後、保温のために羽毛を持ち進化した動物が鳥になったといわれています。翼は飛ぶためではなく、最初は温度との関係でできたものとも考えられています。一方で、小さい体のままエネルギーを燃やし続けることで恒温動物になり、敵のいない安全な夜間に活動して生き延びたのが私たちの祖先のホ乳類の誕生といわれています。

 両生類、ハ虫類といった変温動物は、気温が低くなると体温も低下して活動を停止するため、餌が少なくても生き延びることができます。これに対し、ホ乳類や鳥類といった恒温動物は、外界の温度に関係なく体温を一定に保って活動することができますが、体温を維持するためには常に食糧を摂取して燃焼させ、エネルギーを産生し続けることが必要になります。脳や体を休めるためには自ら体温を下げなければなりません。それをコントロールするのが体内時計です。



■ 冷え性の人が眠れない理由
 変温動物と異なり、気温が下がっても体温を保てるホ乳類の私たちは、どのようにして休息をとるのでしょうか。それは、夜になると体温が自然に下がり、脳と身体の休息に適した状態をつくりあげ、睡眠へと導くシステムにより行われています。その中心を担っているのが、脳のなかの視交叉上核にある体内時計です。

 体温を下げるためには、エネルギー代謝で生じた身体の熱を外に逃がす必要があります。眠くなると手足が暖かくなるのは、実は皮膚表面から散熱して体温を下げているからです。つまり、私たちが「温まっている」と感じる反対の現象が、身体の内部で起こっていることになります。眠くなると赤ん坊の手足がぽかぽか温かくなるのは、まだ生体リズムが整っておらず熱を休息に逃がして休息をとるからです。放熱する部位は、主に手背(手の甲)や足背(足の甲)、太腿の内側です。冷え性の人が上手く眠れないのは、身体の熱を逃がすまいとして手足の末梢血管が収縮してしまい、体温が下がりにくくなっているためです。

 一方で、真夏の夜、暑くて眠れないことがあります。この理由も同様で、外気温と湿度が高いために身体の熱をうまく逃がすことができず、体温が下がりにくいためと考えられます。



■体内時計が調節している深部体温リズム

 ここでいう体温とは身体の内部、つまり深部体温のことです。臨床では直腸で測定しており、腋の下の測定体温より約1℃高くなります。深部体温は、起床時刻の1時間半~2時間前から上昇しはじめ、起床14~15時間後から下降するという、ゆるやかなカーブを描きます。体内時計は、このリズムを24時間周期で調整しているのです。
 例えば朝7時に起きる健康な人の深部体温は、朝5時頃に36.0~36.2℃という最低値を示し、そこから上昇して日中活動時に37℃を下回ることはありません。

 眠くなると「温かい」と感じるのと同様に、朝の体温の上昇を私たちは「寒い」と感じます。そして夜になると、眠りにつく2~3時間前から深部体温は自然に下降し始め、36.9℃を過ぎたあたりから急速に睡眠が深くなっていきます。

ヒトの睡眠状態や深部体温変化を昼夜の影響を受けない環境でみた実験でも、きれいな約24時間周期のリズムが確認されています。つまり、眠気は外的な影響を受けたものではなく、夜間の深部体温が下がっている時に眠るという、本来、人間に備わっている休息態勢が睡眠につながっていると考えられます。

 体温は、エネルギー代謝の結果得られる熱で、エネルギー代謝が弱まると下がり、エネルギー代謝が活発になると上がります。睡眠という脳と身体の休息は、体内時計が刻む概日リズムに合わせて、夜間にエネルギー代謝を低くして体温を下げ、朝になるとエネルギー代謝を高めて体温を上げるしくみによって支えられているのです。
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 ■深い睡眠へと導く寝汗の役割

 夏の季節に限らず、成人はひと晩にコップ一杯に相当する量の寝汗をかくといわれています。眠っている間に汗をかくのは、体温を調節するためです。入眠後、特に最初の1~2時間、ひと晩で最も睡眠が深くなる時に大量の汗をかきます。この時、体温が急激に下降することがわかっています。睡眠中に汗をかくことで皮膚から熱を逃がし、身体の内部の温度をさらに下げ、エネルギー消費を減らして脳と身体を十分に休ませます。そのため寝汗をかいている時の睡眠は深く、健康な人の場合、途中で目覚めることはありません。

 一般に汗は、緊張した時にもかくことがあります。手に汗を握るなどという時に、発汗するのは掌、あるいは足の裏側が主体です。ところが寝汗をかく部位は異なり、手背や足背、太腿など、つまり前述した散熱する部位に多く見られるという特徴があります。

 ヒトは、ホ乳類のなかで汗をかくしくみが最も発達している動物で、起きている時も眠っている時も汗をかいて体温を調節しています。一方、変温動物は積極的な体温調節機構を持っていないため、汗をかくことはありません。


体温からみた睡眠の性差(1)

~ 月経周期に伴う体温変化と睡眠の異常

 体温と睡眠の関係に男女差はあるのでしょうか。成人女性の場合、女性ホルモン分泌の影響により、高温期と低温期という体温変化の1ヶ月周期が繰り返されています。基礎体温を朝目覚めたときに測定するのは、睡眠により低下している夜間の体温の変化を捉えるためです。

 エストロゲン(卵胞ホルモン)の他にプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が盛んになる黄体期に入ると体温は上昇します(高温期)。一般に体温は夜間になっても下がりにくく、卵胞期よりも0・5℃ほど高くなるといわれています。プロゲステロンは妊娠を継続させて、子どもを守るために分泌されるホルモンですので、代謝の低下により胎児の発育遅滞などを招かないように睡眠中の体温低下を制御していると考えられます。しかし、それは睡眠の質にも影響を及ぼします。なかには黄体期になると、夜間になっても低下しないために睡眠障害が生じ、治療を続けている女性もいます。ただし、閉経後には女性ホルモンの影響がなくなり、男性と同様の深部体温リズムになります。

体温からみた睡眠の性差(2)

~ 中年男性にみられる睡眠時間帯の朝型化 ~

 歳をとると眠りが浅くなり、夜中に目覚めやすくなるとともに、身体が必要とする睡眠時間が減少することがわかっています。これは代謝の低下により体温の変動が少なくなること、また体内時計の老化により概日リズムにメリハリがなくなるためと考えられています。

 男性の場合、青年期には女性よりも強かった睡眠時間帯の夜型化が、50代後半から急速に朝型化して、早朝に目覚めるようになります。このような大きな変化は同年代の女性にはみられません。男性特有の加齢変化は、睡眠に表れてくるのです。夫婦の睡眠時間帯にずれが生じたからといって、奥様がご主人の朝型化に無理に合わせようとすると、寝つきが悪くなり、不眠の原因にもなりかねません。合わせるのではなく自然な変化と受け止めて、むしろ別々の生活スタイルに変えてしまったほうがよい場合もあります。



快眠のコツは、深部体温リズムを乱さないこと

 それでは心地よい睡眠を得るためにはどうしたらよいのでしょうか。実は、全く異なる三つの事柄が関係しています。

 一つ目は「日中はよく活動して脳を疲労させる」ということです。日中だらだらと過ごして脳が疲労していなければ、いつもの就寝時刻がきても眠れません。

 二つ目は、「夜間、身体が休息態勢に入ったら床につく」ということです。たとえ疲労して帰宅して早寝をしても、体内時計のしくみによって深部体温が低下しなければ入睡できません。

 三つ目は精神的な影響で、「安心できる状態にある」ということです。旅先など睡眠の環境が変わると緊張して眠れない経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。良質の睡眠にはこの独立した三つの条件が整っていることが大切で、これら一つでも不十分だとよい眠りは得られません。

 このなかで特に深部体温リズムと深く関係しているのは二つ目の事柄で、良質な睡眠には体内時計のはたらきを妨げず、自然な深部体温低下を導くことが大切です。そのためのコツをまとめました。

①は、特に冷え症の方は手袋や靴下などを身に付けて手足を温め散熱を促しましょう。②は、熱い湯につかると、深部体温を上昇させることになるため逆効果です。ぬるめのお湯で少し身体を温めると、血管が拡張して手足から熱が発散されやすくなります。
また、⑨の昼寝をする場合は、長く、深く眠ってしまうと身体の代謝が低下して、深部体温も下がっていくため、目覚めにくくなり、起きた後にボーッとして作業効率の低下を招くことになります。短い昼寝の場合、目覚めた後に集中力が高まり、活動性も上昇すると報告されています。

理想的な眠りとは?

 ヒトは、昼行性ホ乳類に属し、数万年以上も前から日中に活動し、夜間に休息するという生活を続けてきました。ただし産業革命以前におけるヒトの睡眠は、夜から朝まで続けて眠るのではなく、日没とともに眠り、夜中に目を覚まして闇の中で2~3時間を過ごし、朝にかけて再び眠るという生活が一般的でした。そのため夜中に目覚めることなくぐっすり眠ると考えるようになったのは、生活が快適になった産業革命以降、わずか約300年前からなのです。現代人は、闇夜のなかで感じていた、自然や神秘的なものに対する憧れや恐れを失い、睡眠に対しても効率性を求めるように変化してきました。

 実際、理想的な睡眠について尋ねると、「毎晩、眠る直前まで活動して、寝床に入った途端にバタンキューと眠れる」「朝、すっきりと目覚めると同時にしっかり活動できる」といわれる方がいます。しかし、体内時計が司る深部体温、リズムをみると、それらは自然な行動ではないことがわかります。体温は緩やかなカーブを描いており、無理をせずに
徐々に眠りの態勢に入り、徐々に起床して活動する態勢に入るのが健康な生活なのだと思います。理想的な眠りを求めるのではなく、睡眠と上手に付き合うことが重要です。

 過度な疲労は入眠の妨げになります。日中の疲労感を感じる方のなかには睡眠の問題を抱えていることも以外に多いものです。


体の休息態勢を導くヒント

①手足を冷やさない
②入浴は湯温をぬるめに設定し、就寝直前の入浴は避ける
③寝衣は汗を吸湿しやすい素材を選ぶ
④冷暖房器具を上手に利用し、寝室は適温を保つ
⑤体温低下の始まる就寝2~3時間前からリラックスする
⑥寝具は、吸湿性のよい素材を選ぶ。冬は寝具内を心地よいくらい温かくしておく。但し電気毛布をずっとつけておくのはよくない
⑦黄体ホルモンが優位になる高温期には腋の下を冷やすなどの工夫をする
⑧夜食を控える
⑨昼寝は短時間とする
 (20分~30分)

(武田薬報 2011 465号) 



















































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