中国漢方であなたの恋を応援します!中国漢方の周期療法で可愛い赤ちゃんをあなたに・・・。中国漢方であなたの心と体の健康を応援します!

睡眠のかがく 第一夜 睡眠のメカニズム

Dr.健康ミニ講座
睡眠のかがく 第一夜 睡眠のメカニズム

Dr.健康ミニ講座
画像の説明

 睡眠のかがく 第一夜 睡眠のメカニズム

宮崎総一郎先生(滋賀医科大学睡眠学講座教授)

〜 良質な睡眠へのアプローチ 〜

「なかなか寝付けない」「夜中に目が覚めて困る」「すっきりと目覚めることができない」など、現代人にとって睡眠に関する悩みは尽きません。
 睡眠については、ここ50年で様々なことが解明され、疲れた脳や身体を休ませるだけでなく、脳を育て、修復させるという大事な役割を担っていることが明らかになってきました。つまり、「眠れない」ことにも、科学的に裏付けられた理由があるのです。
 そこで、今号より睡眠に関する話題を4回シリーズで特集します。睡眠に関する正しい知識とちょっとした知恵を身に付けることで、良質な睡眠が得られ、日々の生活が快適になります。
 第一夜は基礎知識として、睡眠のメカニズムの解説と良質な睡眠へのアプローチについて、滋賀医科大学の宮崎総一郎教授に伺いました。




■日本初の睡眠学講座を開設ー「よい眠りで、日本を元気に」

 日本人の生活スタイルは、この40年でいわゆる夜型へと変化しました。それを裏付けるかのように22時台に就寝している割合が6割を超えていた1960年に対し2005年は2割程度へ減少し、睡眠時間そのものも短縮の傾向にあります。

 この結果、わが国の成人の3人に1人は睡眠に関する問題を抱えているといわれています。睡眠不足は仕事や学習の能率を低下させるだけでなく、労働災害や交通事故などの社会問題にまで発展しています。また携帯電話やテレビ、インターネットなどの普及は、生長発育に最も重要な子どもの睡眠にも大きく影響しています。

 2002年の日本学術会議では、新しい研究領域として「睡眠学」が提唱され、国家の重点研究課題として取り上げられることになりました。そのような背景から「よい眠りで、日本を元気にする」ために2004年、わが国初の睡眠学講座が多数の個人や様々な企業の寄附講座として滋賀医科大学に開設されました。
 本講座では、睡眠の役割やメカニズムを解き明かす「睡眠科学」、睡眠に関する病気を予防・治療する「睡眠医学」、睡眠が関係する社会問題を解決する「睡眠社会学」の教育・研究に取り組んでいます。具体的には、医学部や看護学部の学生の講義のほか、附属病院では睡眠障害センターを設けて睡眠に関わる疾患の診療を行っています。また医学教育以外にも、人材育成の活動として睡眠知識を学ぶ「睡眠学入門講座」による睡眠指導士の養成・認定、さらに学外教育では正しい知識を普及するために、市民や学校、企業を対象としたセミナーや講演会を開催し、参加された方に「睡眠推進員の証」を渡すなど、多岐にわたり展開しています。



■睡眠の役割
〜 疲れた脳を回復させる唯一の方法

「睡眠」は誰から教わるわけでもなく、生まれた時から当然のように繰り返している行為にも関わらず、その役割を質問すると、正しく答えられる人は以外に少ないものです。

 まず、生物の生命維持にとって一番重要なのは栄養です。栄養をとるためには労働(活動)が必要です。労働により疲労した脳や身体を修復、快復するために必要なのが睡眠です。多くの場合、身体の疲労は活動を止めることで快復しますが、特に1300億個もの神経細胞を持つヒトの脳の疲労は、眠らなければ回復しません。また脳は体重に占める割合が2%にも関わらず、エネルギー消費量は全体の18%にもなります。このほか睡眠には脳を創り、記憶を整理して定着させ、情報処理能力を回復させるという役割もあります。

 睡眠は、一晩のうちにレム睡眠とノンレム睡眠を概ね90分のサイクル(これを睡眠周期と呼ぶ)で4〜5回繰り返していることはご存じの方も多いでしょう。実はそのリズムは一律ではなく、前半はノンレム睡眠の割合が多く、後半はレム睡眠の割合が多くなり、眠りは徐々に浅くなっていくのです。

 レム睡眠は逆説睡眠ともいわれ、まふたの下の眼球が動いているというapido ye ovement の頭文字から名付けられました。脳を育て、記憶の整理や固定などを行うのはレム睡眠の時で、夢を見やすいのもこの時です。レム睡眠時の脳は比較的高い活動(覚醒に近い)状態で、大脳未発達の生物に眠りに似た古い型の眠りといえます。ノンレム睡眠は、睡眠深度が深く大脳を休ませ快復させる機能を持ち、人類の進化の過程において大脳の発達とともに獲得した新しい型の眠りといえます。

 一方、脳活動とは反対に身体活動については、レム睡眠では、ほとんど活動がないのに対し、ノンレム睡眠はある程度活動が見られることもあり、ネコの寝姿にもあるように、レム・ノンレム睡眠では姿勢が異なることがわかります。

 学習後にすぐに眠ると記憶の定着に効果的というデータがあります。レム睡眠時には、記憶や感情を整理し、その固定・消去をしているといわれ、また、運動技能についても睡眠により向上が認められるとの報告があります。

 母体中の6ヶ月までの胎児の睡眠は全てレム睡眠で、脳の神経回路を構築していると考えられています。新生児ではノンレム睡眠との割合は半々になり、加齢とともにレム睡眠は減少していきます。



■睡眠のメカニズム

 ヒトの身体は進化の過程で、日中に活動をして、夜に休息をとるという1日のリズム(概日リズム:サーカディアンリズム)を獲得しました。同様に、体温と眠気もダイナミックな生体リズムを刻んでいます。

(1)体温変化と眠気のリズム

 日中高かった深部体温(脳の温度)は21時頃から入眠に向けて徐々に低下し、午前4〜5時頃に最低となり、その後起床時の身体活動がスムーズに行えるよう上昇しはじます。眠くなると手足が温かくなるのは副交感神経が亢進し、手足の末梢血管を拡張して放熱し、深部体温を低下させるためです。

 一方、1日のなかで体温が一番高く活発に活動できるのは、夕方17〜20時の間です。この時間帯は、学習をしたり、スポーツジムなどで汗を流したり、活動に適しています。プロ野球の試合(ナイター)などがこの時間に行われるのは、生体リズムからすると理想的タイミングであるといえます。

 なお、睡眠中に周期的に発現するレム睡眠は、ノンレム睡眠によって低下し続ける体温を覚醒に近い状態に戻して加温を促すためともいわれています。


(2)眠りのメカニズム

 このような生体リズムは、体内時計によってコントロールされています。朝起きて、目から入った光刺激は体内時計を司る視交叉上核(SCN)に伝わり、朝の訪れを感知します。人間の身体は本来25時間周期であることがわかっていますが、毎朝の光刺激によって体内時計をリセット(同調)しているため24時間で活動できるのです。光刺激はその後、上頸部交感神経節を経て松果体に伝わります。

 光刺激は、メラトニンの合成・分泌を抑制する一方、14〜16時間後には、松果体でメラトニンの分泌を引き起こします。つまり、私たちの身体は起きてから14〜16時間後に、自動的に眠気が訪れるようリズムが刻まれていることになります。このことから、メラトニンは夜を知らせるホルモンと呼ばれています。メラトニンが増加するとともに副交感神経が優位になることで生理的変化(体温、呼吸、脈拍、血圧の低下)が起こり、自律神経系の動きが弱くなり眠くなります。メラトニンは夕方から夜間にかけて分泌量が増加し、朝の4時頃にピークとなり、光を感じる昼間の時間帯の分泌は抑制されています。

 メラトニンは、1〜5歳に一生で一番多く分泌され(メラトニンシャワー)、加齢とともに分泌量が低下するといわれており、また活性酸素やフリーラジカルなどの有害物質消去や性的成熟抑制など、他の作用も有してることがわかっています。


(3)目覚めのメカニズム

 朝起きて、目から入った光刺激が視交叉上核や縫線核に伝わると、メラトニンの合成は抑制されセロトニンなどが交感神経を刺激して呼吸・循環・消化系機能を亢進し、また脊髄神経を持続的に刺激して抗重力筋を興奮させます。


(4)睡眠をコントロールする体内時計機構と恒常性維持機構

 このようなリズムは光によってコントロールされているため、季節によって変動します。また夜型・朝型、睡眠時間の長短など、人によって多様性があるのは遺伝子によって規定されているからです。

 しかし、睡眠は光による体内時計だけでコントロールされているわけではありません。脳を使い続けていると睡眠誘発物質であるプロスタグランジンD2(PGD2)やアデノシンが増加して、脳の睡眠中枢を活性化するとともに、ヒスタミン系覚醒中枢などを抑制して眠気を引き起こします。この「疲れたから眠る」という恒常性維持機構(ホメオスタシス)に加え、「夜になると眠くなる」という体内時計機構の二つが、相互に関連しながら睡眠をコントロールしているのです。














powered by Quick Homepage Maker 4.81
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional