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30代から危険ゾーン・認知症予防に切り札!その(2)

認知症
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痴呆マウスを正常化させた漢方薬

 シソ科の植物「丹参」の根を乾燥させた中国漢方の生薬を中心とした「冠元顆粒」という新しいタイプの中医薬が、その治療法の柱である。

 菅谷公伸博士は気鋭の学者で薬理学の先端を走っており、本来漢方医学とは無縁であった。

アメリカの大学でアルツハイマー病の研究に携わったあと帰国し、東京理科大学生命科学研究所で脳の老化について研究をつづけていた1992年、菅谷博士は偶然に近いかたちで丹参製剤である冠元顆粒と出会ったのである。

そのころ、生命科学研究所には中国・北京中医学院(医大)からの留学生が何人かきていて、老化の研究をおこなっていた。
 菅谷博士は研究所でSAM(サム)と呼ばれる一群の痴呆モデルマウスを使って、薬理の動物実験をおこなっていた。
ふつうのマウスは寿命が2年だが、SAMは2倍のスピードで老化するため一年しか生きない。脱毛、眼周囲病変、白内障、脊椎前後湾増強、骨粗鬆症、そして学習記憶障害といった老化現象がすべて観察されるので、老化の研究にはなくてはならないマウスなのだ。

ある日、菅谷博士が実験で使ったSAMマウスが5匹ばかり余った。
中国人留学生の一人がふと思いついてその5匹に試しに冠元顆粒を与えてみた。
冠元顆粒は中国・華西医科大学で製造され、日本ではその2年前に高血圧、頭痛、肩こり、動悸の一般薬として認可されたばかりだった。

 冠元顆粒の本質は、中国医学でいえば「活血化お薬(かっけつけおやく)」である。
「瘀血」という概念が中国医学では重要視される。中年をすぎると、コレステロールがたまったり、ストレスがかかったりすることにより血液に粘りが出てきて流れにくくなるが、そういうドロドロした血を「瘀血(おけつ)」と呼び、瘀血こそが慢性内臓疾患から心臓疾患、脳血栓、さらには痛み、ガン、そして老化の元凶であると、中医学では考えるのである。

その瘀血をきれいにしサラサラ流れやすくすることを活血化瘀(かっけつけお)といい、その作用を持つ薬を活血化瘀薬というのだ。

そして、冠元顆粒のベースになっているのは「冠心号方」という文化大革命の嵐のあとに開発された強力な活血化瘀の新しい処方だったのである。

冠心号方は、心筋梗塞や狭心症の特効薬として知られ、日本では猪越恭也薬剤師が紹介と調剤に力をつくしたものだ。
冠元顆粒はその冠心号方をさらに広い病気に、安全に強力に使うことができるように改良した血行改善剤(活血化瘀薬)だった。

 中国人留学生は、痴呆マウスの血流を改善することでどの程度の変化が起きるのかをみてみようとしたのである。
 ところが、5匹の痴呆マウスには予想外のことが起こった。3、4週間後には痴呆状態だった5匹のマウスがすべて正常になってしまったのである。
従来の西洋医学的な血行改善剤などでは、考えられない結果だった。

 報告を受けて、菅谷博士ははじめて真剣な目を漢方に向けた。
5匹のマウスは、冠元顆粒がどう働いて正常になったのか。

 菅谷博士はそれまでの痴呆研究によって割り出されてきた老化および痴呆の際生体に現れる2つの現象について集中的に調べた。

第一は「過酸化脂質」の増加を抑制するかどうか、である。
脂質は神経細胞の膜を作る重要な物質だが、これが酸化し過酸化脂質になると神経細胞は死んでしまうのである。体にはもともと脂質の酸化を防止するための酵素SODが備わっていて、脂質が酸化することを阻止しているのだが、SAMマウスではそのSOD酵素の活性が低下してしまっている。そのため、体内の過酸化脂質の量が増え、老化現象が起こるのである。過酸化脂質は老化の元凶だ。

SAMマウスに冠元顆粒を与えたあと検査してみると、SOD活性は明らかに高まっており、過酸化脂質の量も正常レベルにまで低下していることが判明した。
冠元顆粒は間違いなく、脂質の酸化を防止して老化を防ぐのである。

第二は、冠元顆粒が「アセチルコリン」の減少を防ぐかどうかだ。
アルツハイマー型痴呆の原因は、まだはっきりわかってはいないが、患者の体内で起こる現象として、神経伝達物質である、アセチルコリンが減少することはよく知られている。
アセチルコリンが減少するとなぜアルツハイマー病が起こるのか、については医学的にはまだ解明されていないが、製薬業界ではアセチルコリンを体内に入れてやる方向で研究が進んでいる。

だが、アセチルコリンには、唾液が止まらなくなったり、筋肉が縮みっ放しになったり、あるいは心拍が異常に遅くなるなどの強い副作用があり、外から入れてやることは難しいのである。

菅谷氏は冠元顆粒をSAMマウスならびにアセチルコリンを出す部位である前脳基底部を破壊した「アルツハイマー型痴呆マウス」に与えて調べてみた。

すると驚くべきことに双方のマウスともに、アセチルコリンが体内で増加していたのである。厳密にいうなら、アセチルコリンを合成する酵素(CHAT)の活性があがり、その結果として記憶学習に深く関わるアセチルコリンが増加し、やがて正常レベルに達したのである。それは単に神経伝達物質が数値的に増えたというだけではなかった。

 菅谷博士はそのマウスを使った水迷路の実験で、記憶障害の効果がどう現われるかを確認したのである。

グループの真ん中に透明な円盤の島を浮かべ、痴呆マウスを水に入れてやる。するとマウスは島へ辿り着こうと必至になって泳ぐのだが、痴呆マウスはストレートに島へ向かうことができずあちこち迷走した末にやっと到達する。何回繰り返させても同じである。つまり、記憶学習ができないのだ。

ところが、冠元顆粒を与えた痴呆マウスは、最初こそ迷うものの二度目からは次第に記憶学習効果を発揮して、早く島に辿り着くことができるようになるのである。

この研究は、これまで一度失われた記憶や脳の働きは二度と回復することが困難、といわれてきたが、その定説を覆す画期的な事件、といえるのである。

259ページの写真は冠元顆粒の投与によって正常マウスの脳に糖分(グリコース)がどれくらい取り込まれるかを調べた脳の断面写真である。もとの写真はカラーで左が青で中のは緑色に近く変化し、右端のものは黄、赤の部分が圧倒的に多くなっているのだが、これは左の生理食塩水を与えたものから、中の冠元顆粒100ミリグラム投与、右1000ミリグラム投与へと脳がグルコースの取り込み量を増し、神経細胞が活発に活動していっていることを示している写真なのだ。

ただ単に血流量が増えているだけではなく、脳内での代謝が活発になり神経活動が活性化しているという。真ん中の写真がほどよいグルコースの取り込みを示しているというが、冠元顆粒の量を右端のように増やすと劇的に活性化させることもできるということなのだ。

 冠元顆粒は、丹参(たんじん)、川芎(せんきゅう)、赤芍(せきしゃく)、紅花(こうか)、モッコウ、コウブシという6種の漢方生薬を組み合わせて処方されているが、上から4つはいずれも瘀血をきれいに改善する働きを持つ。しかも、この写真で見ると、なんとなく脳全体に働くというのではなく、記憶に関わる特定の部位特異性があるのである。線条体、視床、大脳皮質、前頭葉、小脳の一部でとくに強く、次いで大脳皮質側頭葉、海馬といった部位だ。

そうしたことから、これらの生薬にはまだわたしたちの知りえない働きも秘められている可能性がある。
                
 

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